間質性肺炎
かんしつせいはいえん
間質性肺炎とは(疾患の概念)
間質性肺炎とは、肺の「間質」と呼ばれる部分に炎症や線維化(硬くなる変化)が起こる病気の総称です。
間質とは、肺胞と肺胞の間にある壁や支持組織のことで、ここに炎症が起こると酸素を取り込む能力が低下します。
間質性肺炎には原因がはっきりわかっているものと、原因不明(特発性)なものがあります。また、病気の進行の速さや重症度は患者さんごとに異なります。
進行すると肺が硬くなり、呼吸が苦しくなったり、血液中の酸素が不足したりするため、早期発見と適切な治療が大切です。
主な症状
間質性肺炎の症状は、徐々に進行することが多いですが、急激に悪化することもあります。主な症状は以下の通りです。
息切れ(呼吸困難)
以前は問題なくできた動作で息切れを感じるようになります。
乾いた咳(空咳)
痰を伴わない咳が長く続きます。
疲れやすさ、全身倦怠感
少しの動作でも疲れを感じることがあります。
胸の違和感
圧迫感や痛みを感じることがあります。
症状が軽い段階では気づきにくい場合もあります。息切れや咳が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
診断
間質性肺炎の診断は、症状や問診、画像検査、呼吸機能検査、血液検査などを総合的に評価して行います。
問診・診察
症状の経過、喫煙歴、職業歴、薬剤、基礎疾患の有無、アレルギー性の肺炎の原因となるような原因がないかどうかなどを確認します。
胸部CT検査
詳細な画像で肺の炎症や線維化の広がりを評価します。診断の中心的な検査です。
呼吸機能検査
肺活量やガス交換能力を調べ、病気の重症度を評価します。
血液検査
炎症マーカー、自己抗体などを確認します。原因疾患の手がかりになる場合があります。
6分間歩行試験
医師や理学療法師の立ち合いのもと、6分間歩行します。どれぐらいの距離を歩けるか、苦しさの程度、酸素や脈拍の数字を確認します。
気管支鏡検査・肺生検
必要に応じて実施します。肺にきれいな水を注入して回収し、炎症細胞を解析する気管支肺胞洗浄(BAL)、肺の組織を一部採取する(経気管支的肺生検:TBLB、経気管支的クライオ肺生検:TBLC)などがあります。
以上のように、原因を特定し、治療方針を決めるために様々な検査を行います。
最終的な診断には専門医による総合的な評価が必要です。当科では放射線専門医、病理専門医、リウマチや膠原病の専門医が一同に介して診断を協議する、MDDカンファレンスを実施し、診断の精度を高めるようにしています。
治療
間質性肺炎の治療は、病型や重症度、進行の速さによって異なります。
原因の除去
特定の薬剤、職業性粉じんなどが原因の場合は、原因物質の曝露を中止します。
抗炎症治療(ステロイド、免疫抑制薬)
炎症を抑える目的で使用されます。効果が期待できる型とそうでない型があります。
抗線維化薬
特発性肺線維症など進行性の線維化を抑える薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)があります。
酸素療法
血中酸素が低下した場合、在宅酸素療法を行います。
呼吸リハビリテーション
運動耐容能を維持し、生活の質を保つためにリハビリを行います。
急性増悪への対応
病状が急激に悪化する場合、入院や集中的な治療が必要です。
肺移植
特定の患者さんでは選択肢となる場合があります。
間質性肺炎は慢性的に進行する場合が多いため、定期的な通院と経過観察が重要です。医師と相談し、個々の状態に合った治療計画を立てましょう。
まとめ
間質性肺炎は、肺の間質に炎症や線維化が起こり、呼吸が苦しくなる病気です。
原因や進行の速さは様々で、診断や治療は専門的な評価が必要です。
息切れや長引く咳がある場合は早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。進行を遅らせ、生活の質を保つためには、医療スタッフと協力しながら継続的に治療を続けることが重要です。
医療従事者の方へ
当院では経気管支的クライオ生検・外科的肺生検を積極的に実施しております。
各診療科と連携し、定期的にMDDカンファレンスを開催しております。
2025年4月より、間質性肺炎外来を開設致しました。
専用の紹介状を用いて、迅速な対応を心がけております。
紹介状は患者総合サポートセンターHPよりダウンロード可能です。