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慢性血栓塞栓性肺高血圧 – BPA

BPAとは

「BPA」とはBalloon Pulmonary Angioplasty の略語で、「肺動脈バルーン形成術」と訳されます。
慢性血栓塞栓性肺高血圧症という難病に対し、外科手術のように胸を開く治療ではなく、首や足の付け根の太い血管から医療用の細い管(カテーテル)を挿入します。先端にバルーン(風船)のついたカテーテルで詰まっている肺血管を拡げ、肺の血液の流れを改善させる治療法です。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症について

肺の血管(肺動脈)の中に、血液のかたまり(血栓)が慢性的に詰まることにより、血液が流れが悪くなってしまう病気です。病状が進行すると、肺血管の圧力が上昇する “肺高血圧症” という状態となり、肺や心臓に大きな負担がかかり、息切れや身体のだるさなどの症状が表れます。この病気は生命に関わるため、できるだけ早い時期に適切な治療を受けることが大切です。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者数

慢性血栓塞栓性肺高血圧症は国の指定する難病で、特定疾患治療研究事業の対象疾患であり、この病気の患者さんの数は年々増加しています。
2015年度は2,829名と報告されていますが、認定を受けていない患者さんを含めると、その数はさらに多く、今後も増加すると予想されています。

慢性血栓塞栓性肺高血圧の症状

息切れや疲労感から始まることが多く、肺や心臓への負担によって、様々な症状が出現します。病気の進行に伴い、症状は強くなります。

Ⅰ 無症状
Ⅱ 強い運動で症状あり
Ⅲ 軽い運動でも症状あり
Ⅳ 安静時でも症状あり

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の検査

➀心エコー図

肺高血圧による右室の拡大と左室への圧排あり

➁造影CT

肺動脈の一部に血栓が描出されている

➂肺血流シンチグラム

左右に多発する肺血流の区域性に欠損あり

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療

1.薬物療法、酸素療法

薬物治療としては、ワーファリンなどの抗凝固薬や肺血管拡張薬が治療の基本となります。また、血液中の酸素が低い方には、在宅酸素療法も行います。

2.カテーテル治療(BPA)

局所麻酔下で行う低侵襲のカテーテル治療です。基本的には末梢型の肺血栓性病変に対し治療を行います。複数回治療することで、改善効果を得ることができます。

3.外科手術(血栓内膜摘除術)

全身麻酔下で胸骨正中切開を行い、器質化した肺動脈の血栓を直接的に取り除く外科的治療法です。血栓が中枢側の太い部分にある場合に効果を発揮します。

BPAの実例紹介

BPA前

カテーテルで肺動脈を造影し、狭窄・閉塞している病変(矢印)を確認します。

BTA中

狭窄・閉塞病変に細いワイヤーを慎重に進めて、バルーンで拡張します。

BTA後

バルーンで拡張された肺動脈が造影され、良好な血流が確認できます。

よくあるご質問

1.慢性血栓塞栓性肺高血圧症であれば、誰でもBPAを受けられるのですか?
BPAはあくまで外科的治療の適応にならない患者さんが対象で、内科的治療で効果が不十分な場合に行うべき治療法です。しかし、重度の多臓器不全のある方、著しく腎機能が悪い方はリスクが高く、おすすめできません。
2. BPAを1回行えば、肺高血圧症は治りますか?
バルーンによる治療は安全性を配慮し、一度に多くの血管を拡げることはできません。複数回に分けて治療を行うことで最終的には大きな改善効果が得られます。
3.入院期間はどのくらいですか?
1回の入院で2度のBPA治療を行うことが多く、術前検査と術後のリハビリを含めると、約1か月程度の入院となります。
4.BPAの治療による痛みはありますか?
最初に針を刺すときに痛みがありますが、その後は局所麻酔(痛み止め)が効いてきますので、強い痛みを感じることはありません。もし治療の途中で痛みが出てくれば、局所麻酔を追加して痛みを和らげます。
5.治療費は高額になりますか?
難病医療費助成制度の対象疾患ですので、申請を行い認定されれば医療費の自己負担金を軽減することができます。一般所得者の自己負担額の上限は、月額1万~2万円です。(*2015年以降の新規申請者の場合)
6.BPAや慢性血栓塞栓肺高血圧症についての相談は、どうしたら良いですか?
お問い合わせ先よりご連絡ください。後日、担当者よりご返信いたします。
お問い合わせ
お電話: 0166-69-3055(地域医療連携室)
FAX: 0166-68-2449(循環器内科)
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