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糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)

糖尿病は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの不足や反応性の低下により、さまざま合併症を引き起こします。特に血管合併症は重要で、心筋梗塞や脳梗塞のような大血管合併症のみならず、網膜症や神経障害、そして腎症のような細小血管合併症を引き起こすのが特徴です。

糖尿病性腎症は末期腎不全に至ることが多く、透析導入原因疾患の第一位(約45%)となっており、社会的にも大きな問題となっています。そのため、糖尿病性腎症の予防や克服は重要な課題になっています。

初期の段階では、通常の試験紙による尿検査では検出できない程度のごくわずかな蛋白尿(微量アルブミン尿)しかみられませんが、さらに悪化すると明らかな蛋白尿・腎機能低下が認められるようになり最終的に末期腎不全に至ります。

早期発見のためには、糖尿病診断後は定期的な尿アルブミンの測定・尿検査が重要となります。

治療においては、食事療法、運動療法などの生活習慣の改善とともに、適切な血糖・血圧管理などをバランスよく進めていくことが重要です。