高血圧は動脈硬化の主要な原因のひとつですが、腎臓も毛細血管の集合体のような臓器ですから、高血圧により動脈硬化が引き起こされ腎機能が低下します。
多くの場合は、長年の高血圧の影響で腎臓の動脈硬化が進行、その結果、腎臓内の血流が減少し、腎臓の組織が硬化・線維化してしまい、最終的に腎臓が萎縮してしまった状態を腎硬化症と呼んでいます。
現在、日本の高齢化率は著しく、高血圧患者さんも4200万人以上と言われています。必然的に高血圧による動脈硬化性合併症は増加していますが、腎硬化症も増加傾向にあります。
進行すると尿蛋白も増加する場合がありますが、経過中尿蛋白はあまり目立たないことが多く、基本的には高血圧の治療により腎臓の血管にかかる負担を減らすとともに、血液検査により腎機能の悪化がないかを定期的に確認することが重要です。